企業がZ世代をターゲットとした
マーケティング活動に取り組むべき理由
昨今、多くの企業が取り組んでいるZ世代をターゲットとしたマーケティングやプロモーション施策。将来的に消費の主要な役割を担う次世代への積極的なアプローチは、どの時代においても企業にとって重要な課題です。しかし、Z世代をターゲットとする場合、特に注目すべき理由があります。
① 次世代を担う存在として、巨大な潜在的市場がある
日本の人口に対するZ世代の割合は2024年時点で約15%となります。一見少ないように見えますが、現在の15%という割合は今後の数十年で大きく拡大し、主要な消費層を形成するに至ります。今後数十年のうちに労働人口や消費人口の中核を担っていく世代に対してのマーケティング活動は、企業が長期的な成功を収めるための鍵となるでしょう。
② 消費行動のモデルが異なり、従来のマーケティング手法が通用しづらい世代である
Z世代は、従来のマーケティング手法が通用しにくい世代といわれています。企業から発信される情報を一方的に受け取るだけでなく、少年期・青年期から多角的な視点で自ら情報収集を行っており、商品やサービスそのものだけでなく、それによって得られる経験やコミュニティへの所属意識も重視する傾向があります。
デジタルリテラシーが高く、情報を収集・評価する能力に長けているため、ブランドの認知度やタッチポイントの多さが、必ずしも購買意欲に直結するわけではありません。また、従来のマス広告や画一的なマーケティングメッセージが響きにくく、広告には懐疑的な視点を持っているという傾向もあります。
Z世代に向けてマーケティング活動を行うにあたり、企業は消費行動のモデルを深く理解し、これまでとは異なる手法で、共感を得られるマーケティング戦略を模索する必要があります。単に認知度を高めるだけでなく、いかにして彼らと関係性を築いて、長期的なコミュニケーションを図るかという視点が必要となるでしょう。
③ デジタルマーケティングと親和性が高い
デジタルネイティブであるZ世代の特徴として、インターネットやモバイルデバイス、SNSなどを駆使して情報収集や購買行動を行うことが挙げられます。特にECサイトに対しては抵抗感が少なく、購買行動も活発です。将来的に彼らの所得が増加すれば、消費規模のさらなる拡大が予測されます。
商品やサービスのプロモーションでデジタルマーケティングを行うことが当たり前の時代になりましたが、Z世代は新しい情報やサービスに対しての感度が高いため、的確なコミュニケーション戦略を取ることによって、企業側のメッセージが届きやすく、反応しやすい世代であるといえるでしょう。また、口コミやオンライン上でのレビューを重視するZ世代のデジタル領域における情報拡散力は、企業にとって迅速に認知度を高めるための強力なサポートとなります。
④ ソーシャルメディアと親和性が高い
Z世代は、InstagramやX(旧Twitter)、TikTok、LINE(オープンチャット)、Threads、Snapchat、Pinterest、Lemon8、BeReal、GRAVITYなど、数多くのSNSを活用しており、ひとつのSNS内でも複数アカウントを使い分けながら、様々なコミュニティーを形成しています。
SNSの活用は企業においても重要な課題となっていますが、Z世代は社会課題に関する関心度が高いといわれており、企業との対話に積極的な姿勢を示す傾向があります。
インフルエンサー施策や双方向のコミュニケーションなど、Z世代とSNSで関係性を構築することは、企業にとってプロモーション施策という側面だけでなく、口コミの収集やコミュニティの形成など、単なるプロモーションを超えた効果を得ることができるでしょう。