6次産業化の現状と課題
農林漁業の6次産業化は昔から存在しますが、近年ではSNSなどの普及により、エンドユーザーに直接サービスや商品を届けやすくなったことから、取り組みが活発化しています。D2C(製造者が消費者に商品を直接販売する販売方式)という側面では、本格的なネットショップを開設・運用できるクラウド型ECサービスを提供する企業の登場で、ECサイトを専門知識なく簡単に立ち上げることができるようになったことも活発化の要因のひとつかもしれません。2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響においてECの市場規模が拡大したことなども追い風となっているといえるでしょう。SNSで消費者にリアルタイムで情報発信することが簡単にできるようになり、新商品やイベント告知を日常的に行っている農家なども多くみられます。また地方創生に対する意識の高まりも相まって、「食」を武器に地域の活性化に取り組む自治体などが目立つようになりました。
取り組みが活発化する一方で、当社においては下記のようなご相談をいただくケースが増えています。
①商品は開発できたけれど、新たに売る場所がない
直売所や道の駅のほかに売る場所がなく、販路が広がらない。
②売れる仕組みがわからない
消費者の興味をひくような企画やプロモーション戦略が思いつかない。ECサイトを作ったけど集客できていない。
③商品のPRを自治体の認知拡大につなげたい
商品の良さだけでなく、自治体の魅力発信や観光案内もしたいがうまくいかない。
多くの生産者が製品を作ること以上に、作ったあとの展開方法に悩んでいます。そこで解決のヒントとなるのが「食のブランディング」という考え方です。