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「ブランディング戦略」が食の6次産業化において重要な理由とは?
2023.02.07

「ブランディング戦略」が食の6次産業化において重要な理由とは?

「6次産業化」とは、1次・2次・3次それぞれの産業を融合して、新しい産業を形成しようとする取り組みです。内容だけ聞くととても大規模な取り組みに感じられるかもしれませんが、農家が農家レストランを経営したり、農産物を加工してオリジナル商品を開発したり直接販売することも6次産業に含まれるため、消費者にとっては身近なものです。近年ではD2Cビジネスモデルの拡大や、「食」を武器に地域の活性化に取り組む自治体の増加などで活発化していますが、一方で課題を抱えている企業も多く存在します。課題は、競合との差別化など商品開発工程で発生するものや、商品開発後に発生するマーケティング活動(新規顧客が製品を認知してから購入に至るまでのプロセス設計)など、企業によって様々ですが、どの課題においても共通して重要なことが「ブランディング戦略や設計がきちんと行えているか」だと考えています。こちらのページでは6次産業化において企業が抱えている課題とブランディング戦略の必要性や解決策、成功事例について記載しています。


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6次産業化の現状と課題

6次産業化の現状と課題

農林漁業の6次産業化は昔から存在しますが、近年ではSNSなどの普及により、エンドユーザーに直接サービスや商品を届けやすくなったことから、取り組みが活発化しています。D2C(製造者が消費者に商品を直接販売する販売方式)という側面では、本格的なネットショップを開設・運用できるクラウド型ECサービスを提供する企業の登場で、ECサイトを専門知識なく簡単に立ち上げることができるようになったことも活発化の要因のひとつかもしれません。2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響においてECの市場規模が拡大したことなども追い風となっているといえるでしょう。SNSで消費者にリアルタイムで情報発信することが簡単にできるようになり、新商品やイベント告知を日常的に行っている農家なども多くみられます。また地方創生に対する意識の高まりも相まって、「食」を武器に地域の活性化に取り組む自治体などが目立つようになりました。
取り組みが活発化する一方で、当社においては下記のようなご相談をいただくケースが増えています。

①商品は開発できたけれど、新たに売る場所がない

直売所や道の駅のほかに売る場所がなく、販路が広がらない。

②売れる仕組みがわからない

消費者の興味をひくような企画やプロモーション戦略が思いつかない。ECサイトを作ったけど集客できていない。

③商品のPRを自治体の認知拡大につなげたい

商品の良さだけでなく、自治体の魅力発信や観光案内もしたいがうまくいかない。

多くの生産者が製品を作ること以上に、作ったあとの展開方法に悩んでいます。そこで解決のヒントとなるのが「食のブランディング」という考え方です。

「食のブランディング」の必要性

「食のブランディング」の必要性

前述した通り、2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響において消費行動は変化し、食品部門においてもEC化率は向上しました(※)。消費行動が多様化したということは、それだけ競合が増えたということでもあります。ひとつのジャンルの商品を買うにしても、スーパーや道の駅などのオフラインだけでなく、ネットスーパーや通販によるお取り寄せなどユーザー側に多くの選択肢がある中、自社の商品を認知してもらい、購買につなげていく販売戦略が必要です。その販売戦略においてカギになるのが「商品をブランド化できているか=食のブランディング」です。
※参考:経済産業省「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)物販系分野のBtoC EC市場規模」2022年8月12日 https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

「食のブランディング」とはどのようなものか

「食のブランディング」とはどのようなものか

ブランド化とは単純に商品の質を高めたり、商品パッケージのデザインを変更してリニューアルしたりすることではありません。では「食のブランディング」で本当に必要なものは一体どのようなものでしょうか。ブランディングにより6次産業化を成功させるためのポイントを3つあげました。

①商品の魅力を理解してくれる「販路」

価格訴求ではなく商品が生まれた背景や地域の特色、地域のこだわりを適切に伝える販路を確立することはとても重要な課題です。販路は商品を購入する消費者と生産者をつなぐ重要な役割を果たすため、食のエキスパートが、それらを理解できることを前提に、顧客に売る環境を整備することが求められます。

②話題を呼ぶ「企画力」

販路の多様化により競争力が高まっていますが、ただ商品を開発しただけでは、認知してもらい魅力を伝えることが難しいのが現状です。多くの類似品が存在する中で自社の商品を選んでもらうために、他社製品など競合との差別化はもちろん、商品がもつ魅力や特性、開発された背景を魅力的に伝え、消費者の興味を引く企画が必要です。季節需要に合わせた商品展開やイベントとのプロモーションなど多くの手法が考えられる中で、自社が想定しているターゲット層のニーズやライフスタイルに合った企画を考えることが求められます。

③商品紹介では終わらない「告知力」

開発した商品を消費者へ届けるためには、コンセプトなどの伝える内容を練るだけではなく「どう発信するか、告知するか」のマーケティング戦略が欠かせません。まずは、商品自体の魅力はもちろん、開発に至った背景、背景にある土地の魅力、その地域で働く人々のストーリー、地域の風土や文化、その地域ならではの食材や製法などを、親和性の高い潜在顧客にどう発信するかを考えましょう。発信方法は、プレスリリースなどのPR活動、InstagramやTwitterなどSNSを用いた情報発信、地域のイベントや商業施設の催事、飲食系フェスへの参加、見本市や展示会への出品、タイアップ企画、Webメディアへの掲載など、多岐にわたります。どういったものが自社の製品に向いているかは想定しているターゲット像に左右されるため、的確に選ぶことで効果を発揮します。

同じような商品があふれ、多くの競合が存在する中、消費者に「これが欲しい」という感情を想起させ効果を得るためには、競合と比較した際の自社製品の強みを明確に伝えることだけでなく、欲しいと思ってくれる顧客へ届けるための仕組みも必要です。また顧客とのタッチポイントが多様化していることから、マーケティング戦略なしではターゲットに届けることも難しいのが現状です。食をブランディングすることで大切なのは、マーケティングリサーチなど事前の市場調査・競合調査も含めて、一連の工程やビジネスモデルをトータルで戦略立てすることだと考えます。

当社の事例

当社にて6次産業化のサポートや、食のブランディングご支援を実施しています。過去には様々な領域を企業様の課題に合わせてカスタマイズしながら一気通貫で実施した実績があり、根本的な課題解決につなげるためのトータルプロモーション力が強みです。

<下記に実施した例>
・見本市(商談会)の運営
・フェア参加店舗の招聘
・生産者のプレゼンサポート
・フェアの広報活動
・宣伝媒体のクリエイティブ制作
・販路拡大支援
・プレスリリース配信
・WEBサイトやSNS運用
・製品づくりのサポート(パッケージデザイン)

また、阪急阪神グループなど関西の小売店と連携したフェア企画など当社ならではのご提案も可能です。過去の事例をご紹介することも可能ですので、お気軽にお問合せください。

食のブランディング支援実績例

有名シェフとこだわり生産者のコラボ 宗像市委託事業 『そのおいしい!実は宗像』フェアを開催
client :福岡県宗像市
https://hhms.co.jp/projects/munakata-fair/