食品業界を取り巻く環境と課題
食品業界が抱える課題とは、具体的にどのようなものでしょうか?こちらでは、食品業界を取り巻く環境や課題を包括的に整理しています。
食品業界を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。消費者の嗜好の多様化、市場競争の激化、オンライン販売を含む販売チャネルの拡大、原材料価格や物流コストの高騰、法規制の強化など、食品業界は様々な課題に直面しているといえるでしょう。特に、少子高齢化に伴う人口減少は、中長期的な市場縮小という大きな課題を突きつけています。
多くの課題がある中で競争優位性を確立し、持続的な成長を実現するためには、顧客ニーズを的確に捉えたマーケティングとセールスプロモーション戦略を展開することが不可欠です。こちらのページでは食品業界や食品メーカーを取り巻く環境や課題を改めて整理するとともに、課題解決のためにプロモーション施策を実施した当社の事例をご紹介しています。
食品業界が抱える課題とは、具体的にどのようなものでしょうか?こちらでは、食品業界を取り巻く環境や課題を包括的に整理しています。
様々な情報をWebサイトやSNSで確認・比較できるようになり、かつて重要視されていた「おいしさ」や「価格」だけでなく、健康への配慮や安全性など、消費者はより多角的な視点で商品を選ぶようになっています。
一人暮らし世帯の増加やパーソナライズされた食体験への需要の高まりを受けて、食文化はかつてないほど多様化しており、企業は従来の大量生産・大量消費モデルから脱却し、多様なニーズに対応した商品開発を推進していく必要があります。そのためには、市場調査やデータ分析を通じて消費者のインサイトを深く理解し、それぞれのライフスタイルや価値観に寄りそった商品を提供することが重要です。
「商品」という観点だけでなく、企業やブランドの「ブランドストーリー」を伝える重要性も高まっています。情報過多の時代において、機能や価格だけでは差別化を図ることが難しくなっており、背景にある企業の姿勢や価値観、社会的な責任への貢献度などに共感や信頼の気持ちを持つことが商品選定の決め手となることもあるからです。消費者との情緒的なつながりを持つことも、企業が持続的な成長を実現するにあたり重要な要素のひとつです。
大手メーカーだけでなく、中小企業や海外企業、プライベートブランドの参入など、食品業界は競争が激化しており、価格競争に陥りやすい中でいかにブランド力を高め、商品開発力の向上していくかが大きな課題です。差別化を図るためのマーケティング戦略がこれまで以上に必要不可欠となっています。
競争という観点で見たときに、日本で2020年以降に急速に普及した「D2C(Direct to Consumer)モデル」も、食品業界において無視できない存在でしょう。卸業者や小売店を介さずにSNSなどで直接消費者と接点をもつビジネスモデルのD2Cブランドは、新規参入しやすいだけでなく消費者の多様なニーズを捉え、対話などを通じて共感を醸成し、特定のターゲット層と関係性を築きます。こういった新しいビジネスモデルの登場も競争激化の要因の一つといえるでしょう。
食品業界のEC化率について見てみると、物販系分野内の「食品・飲料・酒類」は2024年時点で4.29%(※1)で、ほかの分野と比べるとまだまだ店舗などオフラインチャネルでの購入が中心となっていますが、2019年の時点では2.89%(※2)であったことから、ゆるやかではありますが着実に上昇しているといえるでしょう。
食品の分野はアパレルや生活用品と比べると単価が低い特性もあり、配送料や物流・在庫管理のコストなど、ECサイトでの販売において収益モデルを最適化することがより求められる業界であるため、多くの企業でEC化は課題となっていることが想定できます。またオンラインでの販売において注目されているサブスクリプションモデル(定期購入)でも、綿密な収益モデルの設計と、継続購入の同期付けとなる魅力ある商品の開発が必要となります。
顧客接点の多様化という観点では、昨今多くの企業がWebサイトだけでなくFacebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINEなどのSNSアカウントを開設して顧客接点を強化するようになりました。たくさんのチャネルを活用することでより多くの潜在顧客にリーチできるメリットがありますが、運用に伴う知見不足や人件費の増加、情報の一元管理の難しさ、炎上リスク、効果測定の難しさなどが新たな課題が発生しているでしょう。
※1 経済産業省「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)物販系分野のBtoC EC市場規模」2024年9月25日
https://www.meti.go.jp/press/2024/09/20240925001/20240925001.html
※2 経済産業省「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)物販系分野のBtoC EC市場規模」2022年8月12日
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html
成熟した状態にある市場や、多様化する消費者のニーズ、販売チャネルの多様化など、外部環境の変化に対応しながら顧客と長期的な関係を築くために、顧客情報の管理や分析の必要性が高まっています。
マーケティングやプロモーション施策においては、かつてのようにマス媒体で不特定多数の人々に画一的な情報を提供するだけでなく、複雑化した顧客の購買行動を理解することが必要不可欠となっているでしょう。CRM(Customer Relationship Management)のような顧客関係管理ツールを導入する企業も増加しました。
CRMツールなどを導入した顧客情報の分析は、マーケティングやプロモーション戦略だけでなく、商品開発やターゲティング制度の向上、顧客体験のパーソナライズ化、需要予測の精度向上など様々な領域の意思決定に生かすことができます。
上記で挙げたように、食品業界には様々な課題が発生しています。当社では各企業の課題に合わせて、短期的なプロモーション施策から、長期的なブランディング戦略まで戦略立案のサポートを実施しております。こちらでは当社の事例をご紹介しています。
消費者調査からデザイン制作、イベント企画・運営まで。フジッコ新商品「MUGEN-KOMBU」発売に向けて支援
client : フジッコ株式会社
https://hhms.co.jp/projects/mugenkombu-development/
昆布佃煮の「ふじっ子煮」を始め、煮豆の「おまめさん」、とろろ昆布の「純とろ」などで知られ、CM知名度も高いフジッコ株式会社。2024年9月、新ジャンルのペースト調味料「MUGEN-KOMBU」を発売しました。当社は、本製品の開発段階から発売まで、約2年間に渡って支援を実施しました。
リニューアルした、たらみ「とろける味わいシリーズ」認知拡大施策!キーメッセージを設定し、2つの食べ方を紹介
client : 株式会社たらみ
https://hhms.co.jp/projects/taramitorokeru-promotion/
「とろける味わいシリーズ」は、フルーツをより美味しく食べていただくために開発された、ご褒美デザートジュレ。フルーツの濃縮された美味しさを余すことなくジュレに閉じ込め、果肉・果汁、香りまでフルーティーな味わいを最大限に楽しめるシリーズです。今回のリニューアルで、商品をパッケージごと冷凍庫に入れることが可能となりました。商品としての美味しさを楽しんでもらうだけでなく、商品を通じて得られる特別な時間や体験を大切にする“コト消費”へのニーズにも対応しています。
当社では「冷やしてそのまま食べるのも良し!お好みの時間凍らせていただくも良し!」という、食べ方の幅が広がったことの認知を高め、より多くの方にお試しいただくきっかけを作るため「とろけてく、ふたつのキブン。」をキーメッセージに据えたプロモーションを展開。ブランドサイトも制作しました。
店頭を盛り上げ、おうちでも楽しめる!マストバイキャンペーンの企画・ノベルティ制作
client : ハナマルキ株式会社
https://hhms.co.jp/projects/hanamaruki-campaign/
“おみそな~ら ハナマルキ♪”でお馴染みの、創業100年を越える味噌製造を中心としたメーカー「ハナマルキ」。人気商品「追いこうじみそ」は、非常に手間がかかるため50年以上もの間行われていなかった伝統製法 “追いこうじ製法”を採用したお味噌で、ハナマルキの職人さん達によって現代に蘇った、二段階の熟成による複雑な味をお楽しみいただける商品です。
20%減塩でも、深い旨みと奥行ある甘みをしっかり味わえるこちらの商品は人気がありリピーターも多い商品になりますが、今回の販促キャンペーンでは、既存のお客様はもちろん、まだ「追いこうじみそ」を手に取ったことがない新規のお客様にも興味を持っていただけるような企画を実施できないか考えました。だれもが一度は聞いたことのあるハナマルキのサウンドロゴに着目し、ノベルティは、3つのお茶碗の水の量を変えることで“おみそな~ら ハナマルキ♪”のジングルを奏でられるオリジナルの食琴茶碗“ハナうた♪茶碗”セットをメインの賞品に。「追いこうじみそ」のおいしさを味わっていただくことはもちろん、茶碗をノベルティにすることで、食卓の中でハナマルキを身近に感じていただくことをコンセプトに施策を検討しました。
いなりずし専門店「豆狸」の 50周年キャンペーン、 キャラクター開発からサイト制作までトータルに
client : 株式会社阪急デリカアイ
https://hhms.co.jp/projects/hankyudelica-i_50anniv/
エイチ・ツー・オー リテイリングのグループ企業で、いなりすし専門店「豆狸」を展開する阪急デリカアイ。「豆狸」創業50周年にあたり、新規客獲得のための認知向上と、売上げアップに繋がる施策を実施しました。
ブランドに愛着を持っていただくことを狙いに、お揚げの毛皮に包まれた周年キャラクター“まめたん”を開発し、店頭のアイキャッチになるぬいぐるみやノベルティのエコバッグを展開。また、キャンペーンWebサイトでは、月替わりクイズの「豆狸の豆知識」、月替わりの限定いなりを紹介する「今月の限定いなり」の2つのコンテンツを用意。キャンペーン開始以降、X(旧:Twitter)のフォロワー数も19%増加。周年キャラクター“まめたん”を中心に、一体感のある周年キャンペーンに貢献しました。
イカリソース動画制作
client : イカリソース株式会社
https://hhms.co.jp/projects/ikarisauce-youtubecm/
日本で初めてウスターソースを製造・販売したイカリソース。ウスターソースと並ぶ代表的な商品“たこ焼きソース”リニューアルに伴い、ターゲットを若年層に広げたいとの課題を解決すべく、新たなソースの価値を提案。イカリソースが特許を取得している“三穴キャップ”を前面に訴求し、美しい仕上がりや楽しさなど、おいしいだけでないソースの価値を動画コンテンツでユーモラスに表現。YouTube広告で配信した全世代で40%を超える高い視聴率を獲得しました。また、この動画展開を評価いただき、CM制作の受注にも繋がりました。
当社では、様々な領域のマーケティングやプロモーション施策を市場調査一気通貫でご提供しております。新商品の認知拡大施策や、長期的なブランディング戦略、商品開発におけるリサーチ、ブランドイメージの転換などの課題をお持ちの企業様はお気軽にご相談ください。
・マーケティングリサーチ、市場調査、ソーシャルリスニング
・顧客ロイヤルティの数値化
・商品開発(新商品のコンセプト策定など)
・認知拡大やセールスプロモーション施策の立案
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・イベント企画運営
・Webサイト制作
・Web広告などのデジタルプロモーション
・交通広告などオフライン媒体の広告出稿